COLUMN コラム
付郵便送達を行う際の注意点
被告の住所や就業先などが判明しているにも関わらず、居留守などを使われて通常の送達(=特別送達)で送った訴状が受理されなかった場合に利用できる「付郵便送達」。付郵便送達をすると、被告が実際に書類を受け取ったかどうかは関係なく、法律上受け取った場合と同様の効果が発生することになり、裁判の準備を開始できるようになります。
さらに付郵便送達を行ったにも関わらず、被告が裁判を欠席した場合は、原告の請求を全て認めたものとされ、証拠を調べたり詳しい調査をしたりすることもなく、原告側の勝訴となる可能性が非常に高くなります。
この部分だけお話すると、原告にとってとても有利なように思われるかもしれません。しかし、付郵便送達制度を利用するには厳しい条件や注意点もあり、そんなに簡単ではありません。
今回は、付郵便送達を利用するにあたっての注意点を主に解説していきましょう。
実際に届く可能性がない付郵便送達は、認められない
付郵便送達が送られる先の住所は、現実に被告が住んでいる・活動している住所でなくてはなりません。送達を試みようとする住所に被告の生活の実態があることを、書面で裁判所に報告し、認められることが付郵便送達を利用できる条件なのです。
では、どのように被告の居住を証明するかというと・・・。
実際に住所のある場所を訪問し、住居所調査をするしか方法はありません。具体的には、以下のような住居所調査を行います。
- 表札の確認
- 呼び鈴を鳴らしたときの応対の確認
- 郵便受けの確認
- 電気メーターの確認
- 水道/ガスメーターの確認
- 洗濯物の確認
- 窓の確認
- 車両や自転車などの確認
- 直接訪問
- 関係者/近隣者/共同住宅所有者/管理会社への聞き込み
- 根拠を示す写真撮影
現地に張り付いて上記のような調査を行い、被告が送達を試みる住所に住んでいることを証明するわけです。
この住居所調査は原告自身で行うか、弁護士や司法書士、探偵事務所などに依頼することになります。遠方の調査だった場合、原告や弁護士・司法書士の皆さまにとっては大変な負担でしょう。さらに「見知らぬ土地で他人の生活を調べる」といった慣れない調査活動は、心身ともに消耗が大きく、荷が重いですね。
この住居所調査は、初めからプロである探偵事務所に依頼する方が賢明です。なかでも、付郵便送達と公示送達のための現地調査で実績を上げている探偵事務所を選びましょう。もちろん、見積もりを取ってコストもしっかりと確認してください。
例えば、私たちクローバー総合調査でも弁護士様・司法書士様を対象に「付郵便送達・公示送達用現地調査サービス」を提供しており、2020年までに3,712件もの現地調査依頼をいただくなど、付郵便送達・公示送達調査実績でナンバーワンの実績を誇っています。(※調査実績数を公表している調査会社との比較)また、複雑なコスト計算は一切必要なく、住居所調査にかかる費用は関西エリア・関東エリアであれば、交通費税込み38,500円~55,000円と明瞭な価格で提供しております。
念入りな現地調査を行って確実に被告の居住が判明した場合でも、まだ注意点があります。それが、「直前に付郵便送達が届く可能性がゼロになってしまい、付郵便送達が無効になるケース」です。
具体例を挙げると、現地調査を行った後かつ付郵便送達が完了する直前に、被告が勾留・逮捕されるなどしていて送達先住所に不在だった場合などです。このようなケースでは、付郵便送達は無効になってしまいます。
付郵便送達は勤務先には送ることができない
被告の自宅の住所が不明でも、勤務先はわかっている、という場合もあるでしょう。このような場合は、まず勤務先に通常の送達(=特別送達)を行うことになります。
しかし、勤務先に特別送達を試みたものの被告に受け取られなかったとき、付郵便送達を勤務先に送ることはできないので注意が必要です。
このケースでは、相手の所在が分からないときに利用する「公示送達」をしなければなりません。
相手の所在が不明なのに付郵便送達をすることはできません。同じように、相手の所在が判明しているのに公示送達をすることもできません。間違った送達方法でいったんは送達がなされたとしても、後になって送達無効と判断されてしまい、裁判の結果にまで悪い影響を与えてしまうこともあります。
付郵便送達を行うことで訴訟の期日が延期されることがある
本来、通常の送達(=特別送達)が送られた時点で訴訟の期日は決まっています。しかし、被告が不在だったり居留守を使ったりなどで特別送達が受け取られなかった場合、不在票が投函され一定期間にわたって郵便局で留置されることになります。また、付郵便送達を行うための原告側の住居所調査に時間がかかることもあるでしょう。このように想定外の時間が経過してしまった場合、もともと設定されていた期日では不適切と判断され、期日が延期されることがあるのです。
付郵便送達を行う場合には、延期された期日が再設定されることがあることを、原告側は知っておかなくてはなりません。
いかがでしたでしょうか?被告の所在が判明しているときに利用できる「付郵便送達」、適切に利用して裁判を有利に運びたいものですね。
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